初めての愛をやり直そう
外で茜が待っている。ドアノブを握り、開けた。
「お腹すいてない?」
「……食事は家に帰ってから取るから」
「そう。でも俺は帰っても一人だからなにか食べてもいいかな」
「いいよ」
「じゃあ……」
周囲を見渡し、ファミレスを見つける。拓斗が小さく指差すと、茜は頷いた。
ファミレス、これも心を揺さぶる。
中へ入ってメニューを注文し、ドリンクバーからコーヒーと紅茶を取って席につくと、拓斗は茜に向き直った。
「職場が近いんだ。見つけた時は驚いた」
「うん。私も驚いた」
「気づいてた?」
茜は少し微笑んでかぶりを振った。
「そっか。じゃ、偶然だね。俺、今、ここで働いてる」
ポケットから名刺を取り出して茜に渡す。茜はプリントされている内容を確認すると、うれしそうに笑った。
「目指した通り弁護士になったんだね。おめでとう」
「ありがとう」
「医療関係をメインにした弁護士さんなの?」
「一応ね。だけど弁護士ってさ、若いと軽く見られるから、駆け出しの新人は贅沢言っていられないんだ。所長は良い人で、医療関係の相談があると俺に回してくれるけど、絶対数少ない」
「どんな関係が多いの? やっぱり、離婚?」
拓斗はそれを聞いて笑った。
「いや、俺のオフィスは会社関係がメイン。企業トラブルってヤツだ。なんでも引き受けるけど、離婚とか親族間のトラブルは少ないな」
「……そう」
茜は力が抜けたように肩を少しばかり揺らせて息を吐きだした。
「どうしたの? 身内にトラブルでもあるの?」
「離婚を考えててね。だから島津君との再会にちょっと期待しちゃった」
「へぇ。誰? 兄弟?」
「……違う」
「まさか、親とか?」
「ウチの両親が仲いいの、知ってるでしょ。相変わらずよ」
「そうだった」
言われて思いだす。拓斗の母がいず、父は出張が多いというので、食事に呼ばれることがあったのだ。その時の茜の両親はとても仲がよかった。。
「だよな。親戚? いとことか」
「私よ」
「え?」
「私だって。離婚したいって考えてるの」
「お腹すいてない?」
「……食事は家に帰ってから取るから」
「そう。でも俺は帰っても一人だからなにか食べてもいいかな」
「いいよ」
「じゃあ……」
周囲を見渡し、ファミレスを見つける。拓斗が小さく指差すと、茜は頷いた。
ファミレス、これも心を揺さぶる。
中へ入ってメニューを注文し、ドリンクバーからコーヒーと紅茶を取って席につくと、拓斗は茜に向き直った。
「職場が近いんだ。見つけた時は驚いた」
「うん。私も驚いた」
「気づいてた?」
茜は少し微笑んでかぶりを振った。
「そっか。じゃ、偶然だね。俺、今、ここで働いてる」
ポケットから名刺を取り出して茜に渡す。茜はプリントされている内容を確認すると、うれしそうに笑った。
「目指した通り弁護士になったんだね。おめでとう」
「ありがとう」
「医療関係をメインにした弁護士さんなの?」
「一応ね。だけど弁護士ってさ、若いと軽く見られるから、駆け出しの新人は贅沢言っていられないんだ。所長は良い人で、医療関係の相談があると俺に回してくれるけど、絶対数少ない」
「どんな関係が多いの? やっぱり、離婚?」
拓斗はそれを聞いて笑った。
「いや、俺のオフィスは会社関係がメイン。企業トラブルってヤツだ。なんでも引き受けるけど、離婚とか親族間のトラブルは少ないな」
「……そう」
茜は力が抜けたように肩を少しばかり揺らせて息を吐きだした。
「どうしたの? 身内にトラブルでもあるの?」
「離婚を考えててね。だから島津君との再会にちょっと期待しちゃった」
「へぇ。誰? 兄弟?」
「……違う」
「まさか、親とか?」
「ウチの両親が仲いいの、知ってるでしょ。相変わらずよ」
「そうだった」
言われて思いだす。拓斗の母がいず、父は出張が多いというので、食事に呼ばれることがあったのだ。その時の茜の両親はとても仲がよかった。。
「だよな。親戚? いとことか」
「私よ」
「え?」
「私だって。離婚したいって考えてるの」