ココロノカケラ


「じゃあな。頑張れよ!!」


「うん!ありがとう!!」


そうして…


あたしの短い短い家出は終わった。




あたしを心配して、探し回ってくれていたお父さんに、こっぴどく怒られて。


今までごめんね…お父さん。




そして。



今のあたしがある。





お礼を言いたくて。


あの場所へ足を運んだけど


会う事はなく。


あたし達は、お互いの名前も知らないまま。


…おそらく名前であろう、ユーキと言う単語と、ふと見せる優しい笑顔。



それだけがあたしの知ってる事。


決して忘れる事のない…
あの人との出会い。




それは桜が舞い散る季節だった…







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