私の彼は御主人様
『終わりだ』


『その話って…


あたしが言う前に今度はノワールが言葉を遮った。


『さぁ、眠れ。律』


額に細い指が軽く触る。


瞬く間にあたしは心地よい眠りにするり、落ちていく。


『ルージュ、ノワール…赤と黒』


誰にも聞き取れないような小さな声で囁くノワール。


律の顔を暫く見詰めて頬にそっと口づけると。


静かに部屋を後にした



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