私の彼は御主人様
『あははははっ!!! 』


高層ビルの屋上に佇むルージュ。


『俺は自由だ! これからしたい放題…たまんねぇな!』


(なんだ? )


指先で自分の頬を触る。


濡れている。


(泣いてんのか? 俺? )


『まさか! こんな気分がいいのに』


(ノワールか? 律の血を致死量近く吸いまくったからか? それとも閉じ込められたからか? )


『いずれにせよ、もうお前の出番はないぜノワール』


笑うルージュ。


しかし彼は気づいていなかった。


確かに流した涙はノワールの物だった。


しかしまたルージュの涙でもあった事を。




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