思い出して、僕のことを
chapter*1
担任となった先生
【妃唯side】
高校1年生の春――。
桜は満開で、まるで今日という日を祝ってくれてるみたい。
さぁと風が靡き、桜の花びらと共に私の髪が靡く。
私は三波妃唯。
今日で高校生となります。
「ねぇ、何組だった?」
「私は3組!」
「待って、一緒なんだけど!」
昇降口に行けば、もう人だかりができていた。
ほとんどの人が仲の良い友達同士で固まってる。
多分、同じ中学から来たんだろうな……
少し羨ましく思った。
私には同じ中学の友達がこの高校にはいないから。
私がここにしたのはお母さんからの推薦があったから。
『ねぇ、妃唯。行きたい高校とか考えてる?』
『ううん、まだだよ』
『だったら、東高校にしない?友達はいないかもしれないけど、ここから近いし、進学校だから』