チカ先輩のお気に入り。




「頑張って伊緒ー」

「俺は手伝わねーよー?」

「……ちぇ」


伊緒くんが周りを見渡すと、周りの人達は伊緒くんを煽っていて。
全く……と呟いた伊緒くんは、笑顔で私の方を見てきた。

……げ、まさか……。


「三倉ちゃんは手伝ってくれるよね?」

「えぇ……」

「優しい三倉ちゃん。お願いっ」

「……はあ」


たまに、伊緒くんは可愛こぶっておねだりしてきたりする。
実際可愛いから困るのだ。断れないんだもん。
しょうがないな、と言うと「ナイスすぎる!」ってガッツポーズをした伊緒くん。

そんな伊緒くんを見て断ればよかった……と思ったが、もう遅い。


「おー、じゃあ三倉よろしくな」

「……はい」


先生にもガッツポーズをされて、一つ大きいため息をついた。



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「みっくらちゃーん!」



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