チカ先輩のお気に入り。



もう、いいわ。突っ込むの面倒くさくなってきた。
なんだよポンコツって。見た目で判断しちゃダメだぞ……っ!ポンコツかもしれないけど!


「そっかそっか」

「なんなんですか本当……盗み聞きしただけなのにクラスまで聞き出すなんて……」

「だって、雪桜ちゃん面白いじゃん」

「褒めてるんですかそれ……」


今日、私誰にも褒められないんですけど。
ていうか本当に誰……私だって名前言ったんだから、そっちも言ってくれたっていいじゃないか……。


「あなたは先輩ですか?」

「え?」

「え?いや、学年も名前もわかんないので……」


え?はこっちのセリフですが。
とりあえず、タメ語使っていいのかダメなのかだけハッキリさせてもらってもいいかな。

驚いたような顔をしたこの男は、そのあとすぐに笑いだした。


「え……?なんで笑うんですか……?」

「いや、ごめん。てっきり俺のこと知ってるのかと思ってた」

「あー、ごめんなさい知らないです」



< 12 / 303 >

この作品をシェア

pagetop