チカ先輩のお気に入り。
心臓に悪い




そしてその日の放課後。


「……今日からなんですね、テスト勉強」

「当たり前でしょ?テスト一週間前だよ」


普通に帰ろうとしていた私をあっさり確保したチカ先輩は空き教室まで連れてきた。
……明日からとかかなって思うじゃん。今日からなんかい。

はぁ、とため息をつく。


「……学年違うのにいいんですか?」

「ああ、全然大丈夫」

「わかんない所とか聞かれても困りますよ……」

「わかんない所特にないから大丈夫」

「はい……?」


机に突っ伏しながらチカ先輩を見つめてそう言うと。
まさかの耳を疑う言葉に間抜けな声が出てしまう。
……わからない所が、ない……?


「俺、こう見えて学年トップだからね」

「……ん?トップ……?」

「そうだよ〜。だから一年生の勉強教えてあげられるかなって」

「え……ええええっ!?!?」

「声大きいね」



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