チカ先輩のお気に入り。




正直に言ったのに、腹黒い笑顔で辛辣な言葉を返されて少しムッとくる。
でも、今のチカ先輩は神様なのだ。広い心を持たなくっちゃ。


「じゃあテスト範囲のところ最初からやろうか」

「…!お願いします!」


チカ先輩は私の筆箱からシャーペンを取り出してそう言う。
一週間、頑張るぞ……!


────────────────



「うっそ……」


事前に先生から貰っていた数学のプリントを自力で解き終え、チカ先輩が丸つけをしてくれる。
返ってきたそのプリントの丸の数にびっくりして思わずチカ先輩をバッと見る。


「結構できるようになったね」

「すごい……!!」


あれだけ何も分からなかったのに!!
チカ先輩に教わったおかげかほとんど正解していて。

チカ先輩の教え方は本当に分かりやすくて。
なんでこんなに今まで苦戦してたんだろうと思わせられたぐらい。

そして何より頭がよすぎる。



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