チカ先輩のお気に入り。
でも、確かに……お色気王子だ。
だって、色気プンプンだもん、大人な人だ……っ!
なんか、めっちゃいい匂いするし、泣きボクロあるし、イケメンだし。
なるほど……この人が倉科知佳。
特定の彼女は作らない男。だからさっきの告白も断ってたのか。
いやいやいや、酷かったのは事実だけど。
でも、でもでも……もうこれ以上関わっちゃダメだ……!関わりたくない……!
「じゃあ……さよならお色気王子!」
「うん、無理だけどね」
「ですよね……」
もう一度、彼の前を通って逃げようとするけど、あっさり捕まってしまう。
でも……名前も言ったしクラスも言ったし、もういいじゃん……。
「名前で呼んでよ、雪桜ちゃん」
「ええ……でも私関わりたくないので」
「はっきり言うねえ。でももう遅いよ」
「お色気王子じゃダメですか?」
「なんでそれでいいと思ったの?」
くっそ……この人笑顔で冷たいこと言う……っ!!