チカ先輩のお気に入り。




それはさっきの冷たい顔とは違っていて。
少し頬を染めながらも、今までで一番柔らかく暖かい素の笑みを浮かべているチカ先輩。


ドクン……となにかに打たれたような感覚が私を襲うと、先程までよりももっと速くドキドキが加速した。

な、なに……?なんでそんなにも優しい顔で笑うの……?
心臓がギューッと苦しくなる。
なにこれなにこれ。心臓に悪いよ。


「はは…っ、雪桜ちゃんは本当にずるい子だね」

「え……っ?」

「こんな感情二度と人に抱かないって思ってたのに、無理だったみたい」

「あの……チカ先輩?」


吹っ切れたような清々しい笑顔を見せてそう言ったチカ先輩に疑問でしかない。
どんな感情……っ?
ていうか、なんでそんな愛おしそうな目で私を……っ。


「雪桜ちゃん、俺手加減とかしないよ」

「いや、あの、なにがですか……っ」

「絶対落としてみせるから」



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