チカ先輩のお気に入り。

落とすって……何の話……っ？
でも、それよりも確認したいことがある。


「あの……嫌いになったわけじゃない、ですか？」

「残念だけど嫌いになんてなれないよ」

「……よかっ、た……」


そのチカ先輩の言葉を聞いて安心する。
すると、チカ先輩の両手が伸びてきて、私の両頬を包み込んできた。


「俺に嫌われたくないって思ってもらえて嬉しいなあ」

「あの……っ、近いです」

「俺はもっと近づきたいけど」

「何言ってるんですか……！」


これ以上近づいたら鼻がぶつかっちゃうよ……っ！
今日のチカ先輩は、本当に心臓に悪い。
真っ赤な顔を至近距離で見られてると思うと落ち着かないものだ。


「怖がらせてごめんね」

「いえ……私が悪いんだと思うので」

「違う。俺が幼稚なだけだよ」

「……」

「でも、もう大丈夫だよ。雪桜ちゃんのおかげでトラウマとかなくなった」