チカ先輩のお気に入り。
「……チカ先輩。これでいいですか?」
「うん、いいよ」
「じゃあ!私はこれからお花に水をあげるので!」
「…まあ、今日は解放してあげるよ」
「……仕方なく、みたいな言い方やめてもらってもいいですか」
「はいはい。文句言わない。また月曜日ね、俺のワンちゃん」
「……へ?」
ニコッと笑って、私に背を向け去っていったチカ先輩。
ま、まって……あの人今なんて言った……?
わ、ワンちゃん……っ!?犬扱い……っ!?
「む、ムカつく……っ!!!」
最悪だ、最低だ!!人でもない、女でもない、私は犬!!!メス!!!
ていうか、また月曜日ね、ですって……っ!?
ぜーったい、会わないから!!!
ふんっと勢いよく角を曲がって、花壇の方に向かった。
────────────────
────────
「まやちゃぁん、花菜ちゃぁん」
「うわ。どうした雪桜。いつにも増して怖いぞ」
「……」