チカ先輩のお気に入り。




「ふっ、嘘だよ。俺にとって雪桜ちゃんはもうワンちゃんじゃないから」

「……?」


まって、それって最初は本当にワンちゃんって思ってたってこと……?
冗談じゃなかったんだ……と少しショックを受ける。

でも、今は違うってなに……?


「早く気づいてよ」

「えぇ……?」

「俺のことでいっぱい悩んで」


普通に聞いたら変なセリフだ。
でも、なぜかそれにドキドキしてしまう。


「……雪桜ちゃんの心臓速いね」

「な……っ!聞かないでください……っ!」

「あ、顔真っ赤になった」


急にそんなことを言い出して。
まさか聞こえていたなんて……っ!!
まあ確かに、この距離なら聞こえてもおかしくない。

……もう、なんなの!!


「なんで今日そんなに意地悪なんですか……っ!」

「言ったでしょ、手加減しないって」

「どういう意味ですか……っ!!」

「ドキドキさせるって意味」



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