チカ先輩のお気に入り。
パッと浮かんだ恋という文字。
…っ、ちがう、何考えてるの私。
だめだよ、認めちゃいけない……。
そう考えているのとは裏腹に、さっきよりも心臓が加速して。
チラリとチカ先輩を見上げると、そんな私に気づいて優しい顔で笑いかけてくれる。
それにかああっと顔に熱が集中する。
……っ、違う、違うの。
認めちゃったら……負けなの。
だってこの人に……チカ先輩にハマってしまったら……きっと抜け出せなくなってしまう。
この人は沼だ。絶対にそう。初めて会った時から、この妖しさが怖いところもある。
依存してしまいそうで。
そんなの……まだ怖い。
何も知らない私には……怖い。
私の考えが読めるはずもないチカ先輩は、ギュッと腕に力を込めて首に顔を埋めてくる。
「チカ先輩……っ」
「ん?なーに?」
「……っ、ドキドキ、させないでください」