チカ先輩のお気に入り。
私、本当におかしくなっちゃうから……っ。
恥ずかしさで手が震えながらもチカ先輩を見上げてそう言うと。
ピタッと一瞬動きを固めたチカ先輩は、どこか苦しそうに顔を歪めた。
でもそれは、悪い意味の苦しそうには見えなくて。
瞳が揺れて、どこか耐えているような様子。
「……っ、ほんとにさあ」
「……?」
「それ、俺のセリフだから」
「えぇ……?」
はぁぁ、と大きくため息をついたチカ先輩は私の身体を支えながら起き上がらせてくれて。
ソファに座り、少し距離を取っている。
……俺のセリフ?
意味がわからずに首を傾げると、そんな私を見てまた大きくため息をついた。
「不意打ちはよくないよ雪桜ちゃん」
「何言ってるんですか……?」
「……また仕返しするからね」
「はぁ……?」
どこまでも意味がわからないけど、その仕返しってものがやばいってことは分かった。