チカ先輩のお気に入り。

その時。


廊下が、ザワっと騒がしくなって高い悲鳴が聞こえてきた。いや……悲鳴とは違うな。


「なに……？」

「急にうるさくなったね」


廊下には人が集まって教室から見える光景では、女の子達が頬を染めている。
……なにかあったのかな。

すると、急に女の子達は壁により道を開けだした。
急に一人、背の高い人が現れて私の教室に顔をのぞかせている。


え……っ。まって、あれって……っ。

その人を見て固まっていると、パチッと目が合って教室に入ってきた。


「え、ちょ、雪桜……あれって……」


まやちゃんと花菜ちゃんも動揺している。

ま、まずいまずいまずい……っ！！明らかに、私を見てる……っ！

動くことが出来ないまま、席に座っていると、


「雪桜ちゃん」


チカ先輩が、私の名前を呼んだ。
な、ななななんで……っ。


「……チカ先輩……っ？」


なんでここにいるんですか……っ！！