チカ先輩のお気に入り。




そのまま歩き出したチカ先輩は近くのベッドのカーテンを開けてゆっくりベッドに私を降ろした。

重くなかったかな…?なんて気になるけど、ベッドに横になるともう起き上がる気力なんてなくなって。

……っ、頭痛い。


「全く……体調不良に気づかないなんて、さすが雪桜ちゃんだね」

「どういう意味ですかあ……褒めてないですよね……」

「はいはい、いい子は寝な」


呆れたように笑ったチカ先輩は私の頭を優しく撫でてくれて。
それに安心してしまう。

……なんか、すごい眠くなってきた。


「保健の先生には言っておいてあげる」

「ありがとう、ございます……」

「素直な雪桜ちゃんも可愛いね」

「……熱上がりそうなんでやめてください……」


そういうこと言われると体温上がっちゃうでしょ……。
眠気が強くなってまぶたが重くなる。
チカ先輩の手が私の目に被さり、眠気に抵抗せずに目を閉じる。



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