チカ先輩のお気に入り。
「……雪桜」
「……」
「可愛すぎるね。食べちゃいたいけど……今は我慢するね」
夢の中に入る直前、そんな声が聞こえたような気がしたが、なにを言っているかは分からなかった。
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真っ暗だった視界に光が指して、風の音が聞こえてくる。
それと同時に頭が痛んでゆっくりと目を開けると、真っ白の天井が視界に入った。
……そうだここ保健室で、私寝ちゃったんだ。
身体が熱く感じて重い。
すると、シャっとカーテンが開いて人が入ってきた。
「…あら、目が覚めた?」
「……あ」
「お母さんに連絡しておいたから、迎えに来るまで待っていてね」
私が起きていることに気づきそう話しかけてくるのは、保健室の女の先生。
私の様子を見るように近づいてくると、近くにあった椅子に座った。