チカ先輩のお気に入り。
朝から、心臓がうるさい。
その言葉が嬉しくて胸がいっぱいになる。
なんでこんな優しくしてくれるの……なんでそんな言葉がさらっと出てくるの。
「……ありがとう、ございます」
「俺にならいっぱい迷惑かけていいよ、全部受け止めてあげるから」
「……なんなんですか本当」
ほんとに、なんでそんな嬉しいことばかり言ってくれるの。
ギューッと胸が苦しくなる。恋を自覚したばかりだからか余計気持ちが溢れ出しそうになって。
そんな私の心情なんて知りもしないチカ先輩は、優しく笑ってくれる。
それにまたギュッと胸が締め付けられてどうしようもできない。
「…チカ先輩のバカ」
「俺絶対雪桜ちゃんよりバカじゃないよね?」
「……っ、うるさい!」
もう、ムカつく。
どストレートに毒を吐くチカ先輩が、それにも好きって感じてしまう私が、すごくムカつく。