チカ先輩のお気に入り。




するとチカ先輩の視線がズレ、パチッと目が合った。
その瞬間、チカ先輩の顔がさっきまでの冷たい顔とは違った柔らかい笑顔に変わって。

……っ。
思わず、ドキッとして身体の体温が上がってしまう。

女の子達の輪から抜け出してこっちに来るチカ先輩。
……私の事ワンちゃんワンちゃん言ってたけど、チカ先輩だって犬みたいじゃないか。

私もチカ先輩の方に歩き出して目の前に行く。


「どうしたんですか?一年の廊下まで」

「雪桜ちゃん遅かったから」

「……担任の話長くて」

「そっか」


……本当にすみません。担任のせいです。

帰ろうと歩き出したチカ先輩に私も着いていく。
周りの視線は気になるけど……でも、一人じゃないから大丈夫。

そのまま歩きながら学校を出た。


────────────────


チカ先輩と並んで駅に向かって歩く。



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