チカ先輩のお気に入り。
……この光景が当たり前になってきてるの、すごいよなあ……。
なんて今更思って。
でも、久しぶりだからかな。
なんかすごく……。
「…ちょっと緊張するね」
「……っ!」
「……あれ、もしかして雪桜ちゃんも同じこと考えてた?」
チカ先輩の言葉に、びっくりしてしまう。
私が分かりやすく動揺したからか、楽しそうに私の顔を覗き込んできて。
「嬉しいなあ、雪桜ちゃんも同じ事思ってくれてるなんて」
「……っ、チカ先輩も緊張とかするんですね」
「そりゃするよ。雪桜ちゃんの前だからね」
…っ、なに、それ……。
なんでそんなことサラっと言えるの。
……そんなの、期待、しちゃうじゃん。
かああっと顔の体温が上がり、パタパタと熱を冷ましている時。
後ろの方から、なにか視線を感じて。
振り返ると、そこには誰もいなかった。
「……?」
「雪桜ちゃん?」
「…いや、なんでもないです」