チカ先輩のお気に入り。
私、三倉雪桜(みくら ゆら)。
ただただ平凡な高校一年生です。
「ていうかさ〜、今日お色気王子と同じタイミングで学校来れたんだよね、運命かな??」
「勘違いやめな」
花菜ちゃんがそう言うと、すかさずまやちゃんが突っ込んだ。
……ん?お色気、王子?
「なにそれ?」
ただ、疑問を口に出しただけなのに。
まやちゃんと花菜ちゃんは、は?とでも言いたげな顔で私を勢いよく見た。
え……っなにその反応。
「ほんっとさあ!私たちたまに王子の話してるよね!?」
「え…?そうだっけ?」
「雪桜って聞いてるようで聞いてないよね。バカっぽくて可愛いわ」
「……花菜ちゃん、さっきから酷い言いようだね」
確かに、聞いてない時もあるけど。
王子って、まずいたんだ。
「で、誰?それ」
「倉科知佳(くらしな ちか)!!二年生だよ!!」
「えっ、先輩?」
「はあ……知らないのあんたぐらいだわ」