チカ先輩のお気に入り。




もう一度、顔を洗って目を覚ます。

またリビングに戻り朝ご飯を食べるため席についた。



「行ってきまーす」


いつもよりも早い時間に、外に出る。
駅まで向かう道のりが長く感じてため息をついた。


……よかった、いない。
電車に乗り込むとチカ先輩の姿はなくて。
それに安心してふぅ、と息を吐く。

席が空いていてそこに座ってスマホを見る。
一人で乗る電車は久しぶりだからか寂しく感じた。



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「…あれ、雪桜じゃん!!今日はっや!」

「おはよう」

「おはよう、早い電車乗ったの?」

「…うん」


学校についてしばらく席に座っていると、いつもの二人の声が聞こえてきた。
……私、この二人より早く来るの初めてだ。


二人は自分の席に荷物を置くと、私のところにやってきて。




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