チカ先輩のお気に入り。




その勢いのままお風呂を出ると、そこにはタオルと上下の服が用意されていた。

……あ、これチカ先輩が用意してくれたのか。
てことは……チカ先輩の服……?

またボン!と顔が熱くなる。
でもこれ以外に着るものはないからしょうがない。

下着は少し濡れている程度で。ワイシャツはびしょびしょから着れないけど、下着ならまだ着れるからよかった。


そこにあった服を着てみると、チカ先輩の匂いがして。
抱きしめられているような気分になってドキドキが加速する。


……っ、もう!私のバカ!変態!!
私よりも大きい服に身に包んで、変なことを考えないようにリビングに戻ると。


「……あー」


ソファに座っていたチカ先輩が、私を見て声を詰まらせた。
……え、なになに、なんでそんな驚いた顔してんの。


「……破壊力やばいね。想像以上」

「はい……?」

「髪の毛乾かさなかったの?」

「ドライヤーどこかわからないので……」



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