チカ先輩のお気に入り。
「……?どうしたの雪桜ちゃん」
「へ……っ!?あ、いや、雰囲気が……っ」
「…?あー、髪かな」
意味を理解したのか、前髪にかかった髪をうざそうにかきあげたチカ先輩。
……っ!無自覚でやってるのこれ……っ!?
髪かきあげるイケメンって……こんな破壊力あるんだ……。
「……あ、もしかして見惚れちゃった?」
「……っ!早く!髪乾かして!」
「ははっ、はいはい」
コツンと首を傾げたチカ先輩にキュンとしながらも、私の持っていたドライヤーを押し付ける。
すると、笑いながら私の隣に座ったチカ先輩は、ドライヤーで髪を乾かし始めた。
その間もずっと心臓がバクバクとうるさくて。
何も考えられずにずっと深呼吸していると、ドライヤーの音が止まった。
「…うん、やっぱり俺の服着せて正解だったわ」
「え、それどういう意味ですか……?」
「実は姉さんの服もあるんだよね」
「な……っ!?」