チカ先輩のお気に入り。

「また、大切な人に裏切られることがあったらどうしようって。情けないけど、ずっと怖くて」

「……」

「雪桜ちゃんのことも、信用したくなかった」

「……したくなかった？」


信用してなかったんじゃなくて、したくなかった……？
どういうこと……？


「うん。もしかしたら雪桜ちゃんも俺を裏切るかもしれないって思って信用したくなかったんだけど……雪桜ちゃんのこと知れば知るほど、欲が出ちゃって」

「……え？」

「もっと知りたいって、思った。」

「……っ」


なに、それ……。
なんでそんな、愛おしいものを見るかのような目で、私を見るの……っ？


「雪桜ちゃんは反応が面白くて、でも慣れてないから可愛くて。考え方もしっかりしてるから、たまに大人っぽく見える。それで俺の事ちゃんと見ててくれるし、受け止めてくれた」

「……っえ？」

「……俺だけのものになればいいのにって、欲が出た」