チカ先輩のお気に入り。
「俺、一応有名だったからね」
「そうですよ!お色気王子ですよね。もうお色気王者とは言いませんよ」
「ふ…っ、そうだね。初めて会った時はそう言ってたね」
「でも今はお色気王子じゃなくて知佳先輩はチカ先輩ですから」
だからこそ、そんなかっこいいチカ先輩の隣にいられることが不思議で、嬉しい。
ギュッと手に力を入れてこの気持ちを表現する。
「うん。今の俺は、雪桜のだよ」
「……っ!」
「……雪桜は俺の顔好き?」
私の、チカ先輩なんだ……っ、ニヤけちゃうよ。
すると、チカ先輩はグイッと私に顔を寄せてそう聞いてきて。
きっと、チカ先輩は今までこの綺麗な顔で見られてきたから……。
「…好きです。でも顔だけじゃなくて、全部好きです」
「っ……うん、知ってる」
少し頬に熱が溜まりながらも、チカ先輩の目を見てしっかりと伝えると。
チカ先輩は、嬉しそうな顔をした。