チカ先輩のお気に入り。
『君ありて幸福』
「あ、おはようチカ先輩!」
「おはよう」
付き合い始めて、初めてのキスをしてからもう何ヶ月も立った。
二学期の後半になり、私たちは変わらずにいつも一緒に登校している。
「最近寒くなってきましたね」
「もう11月だからね」
「もう……早……」
ワイシャツの上にセーターを着て過ごしているけど、それでも肌寒く感じてくる時期。
時間が経つのはすごく早いけど、でも変わらずにチカ先輩とは過ごしている。
こんな他愛もない話が出来るだけで、毎日毎日幸せだもん……。
「あ、そういえば私のクラス席替えしたんです!」
「そうだったの?じゃあ三好くんと離れた?」
「いや……今回は伊緒くんが私の前の席で……」
「……ふーん」
「でもでも!!斜め後ろが花菜ちゃんだったんです!!まやちゃんは伊緒くんの斜め前の席で」