チカ先輩のお気に入り。



……無視しようかな。

なんて、思ったのに。


「雪桜!!行ってこい!!!」

「うちらの事はいいから、これは行かなきゃダメ」

「……見捨てないでよおおお」


一緒に帰る予定だったまやちゃんと花奈ちゃんは、行ってこいと私の肩を押してくる。


「知佳先輩からのメッセージを!無視しようとか思ってんの?!」

「それこそ許されない行為!!」

「……あーもうわかったから!!声大きい!!」


みんなに聞こえちゃうじゃん……っ!!っていうレベルの声の音量。
こんなの私に選択肢ないじゃん。
わかったよ、行けばいいんでしょ行けば。


「明日詳しく聞くからね!!」

「早く行ってきな!」

「うん……ばいばい」


気が重い私とは真逆。まやちゃんも花菜ちゃんもなぜだか楽しそうで。
私は渋々空き教室へ向かった。



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