チカ先輩のお気に入り。
……やっぱり、毒舌以上に甘すぎます。
私の頬から手を離すと、その手を頭に持っていって撫でてくれて。
かああっと顔が熱くなる。
……〜〜っ、もう、慣れないってば……っ!
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「おっはよー雪桜!」
「おはよう!」
学校につくと、いつもと違う席に座っているまやちゃんと花菜ちゃんが出迎えてくれる。
「どうしたのニヤニヤしちゃって。不気味」
「不気味!?…いや、席近いの嬉しいなって」
「はっはーん?なに可愛いこと言っちゃってぇ〜。うちら、雪桜の彼氏様に怒られちゃうぞ」
真顔で毒舌をかましてくる花菜ちゃんと、笑顔で肩をツンツンしてくるまやちゃん。
「チカ先輩には席替えしたこともう言ったよ」
「へぇ?もしかして、伊緒のことも言っちゃった?」
「あ……うん。席替えしたって言ったら、真っ先に伊緒くんのこと聞かれて」