チカ先輩のお気に入り。




その光景に笑ってしまう。


「ちょ、三倉ちゃん。俺の予想なんだけど、もしかして倉科先輩のこと……?」

「…そう」

「絶対席替えのことじゃん……!いやいや待て、これはしょうがなくない!?くじ引きだよ!?」


心当たりがあったのか、チカ先輩だと当てて。
頭を抱えて焦っていて、それに面白くて笑ってしまう。
でもなあ……。


「…チカ先輩、一周まわって意外と伊緒くんのこと好きだと思う」

「……なんだろう、別に嬉しくない」


ここまで伊緒くん意識してたら逆に好いてたりしそう……とも思うんだよね。気のせいだろうけど。
そう言うと伊緒くんは、スンと真顔になって。
そんな伊緒くんの肩を、花菜ちゃんがバシッと叩いていた。


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三時間目が終わり、荷物を持って席を立つ。
移動教室だったため、教室まで戻らなければいけなくて。



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