チカ先輩のお気に入り。
もう何ヶ月もいると、わかったことがある。
「今日も知佳先輩いるかもね」
「うん、そうだね」
この時間、チカ先輩のクラスは体育終わりで。
外から中に帰ってくる時に、タイミングが合えば会えるのだ。
少し期待を抱きながら三人で教室を出る。
しばらく歩いて二階玄関の方に近づくと。
ザワザワと騒がしくして、体育着を来た生徒が中に入ってきていた。
……っ、あ!!
その中に一人、目を惹かれる人がいて。
すぐにそれがチカ先輩だとわかる。
チカ先輩は夏目先輩と話しながらキョロキョロと周りを見渡していた。
すぐにパチッと目が合うと、嬉しそうに笑顔で手を振ってくれる。
「……っ、やっぱり、体育着姿かっこいい……」
「ノロケだ」
「よかったね見れて」
チカ先輩もこの時間私がここ通ること知ってるから、いつも探してくれている。
きゅんっと胸が高鳴っていると、隣にいたまやちゃんと花菜ちゃんが呆れたように言ってきた。