チカ先輩のお気に入り。



「……待ってください。なんて言いました?」

「聞こえなかったの?一緒に帰るって」

「え……っ!?嫌ですよ、一人で帰ります……っ!」

「一緒に帰るために呼び出したのに?」

「知らないですそんなの!」


呼び出した理由ないって言ったじゃん……?!
なんて勝手なんだこの人は……!
スタスタと私の元に歩いてきているチカ先輩。
なんで歩いているだけなのにそんな輝いてるんだ……っじゃなくて!

このまま捕まったら私チカ先輩と帰らなきゃ行けなくなっちゃうんじゃ……。

よし。逃げよ。
私はまたドアの方に向き直って早歩きをする。


「あれ、なんで急いでるの?」

「一人で帰りたいからです……!」

「えーひどくない?俺可哀想」

「…いや、振り回されてるの私なんですけど」


可哀想なのはどっちだ……!
早歩きする私と、余裕そうに歩いているチカ先輩。
こんなの捕まるわけないじゃん?



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