チカ先輩のお気に入り。



もうなんなんですか……?何言ってるんだい?
汚すってどういうこと。嫌なんですけど。


「純粋で可愛いと思うよ」

「……なんか、嬉しくないです」

「そんな可愛い雪桜ちゃんに、いいこと教えてあげるよ」


可愛いって言われても、いい意味に聞こえなくて複雑だ。
ニコッと笑ったチカ先輩に、なんだろうと次の言葉を待つ。

すると、手が急に伸びてきて、


「……躾ってのは、こういう意味だよ」

「……っ!」


チカ先輩が親指を、私の唇に押し付けてきた。
色っぽく笑って雰囲気が変わり、胸がざわつき始める。
ドキドキと心臓が加速して、顔に熱が集中する。

こんなの、嫌でも意味がわかってしまうじゃないか。
慣れていないどころか経験のない私には、刺激が強すぎる。


「これで意味がわかったみたいだね。次目移りでもしたら、どうなるかわかってるでしょ?」

「……っえ、と」



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