チカ先輩のお気に入り。



あーもうなんなの!!この人の一言に、振り回されてるのが癪……っ!

ふんっと口をとがらせてチカ先輩の方を睨むと、チカ先輩は面白そうに笑っていて。
顔がいいせいでその表情にもドキッとしてしまう。


「何笑ってるんですか……っ!!」

「いや可愛いなって」

「残念ですがもう騙されないんで」

「本当なのになー」


可愛いって言っても無駄です!もうときめきませんよ……っ!!

駅に着くまでチカ先輩は私のことをからかい続けては笑っていた。


────────────────


それから駅に着き電車に揺られる。
学生は一つ前の電車に乗る人が多かったのか、電車は満員という程でもなかった。

それでも座れなかったため、チカ先輩は私を壁に追いやりバランスが崩れないようにしてくれて。

……本当、掴めない人だな。優しいんだか意地悪なんだか。


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