チカ先輩のお気に入り。
なんだか少し悔しくなりながらも、チカ先輩のいた場所に立った。
……髪結ぼう。
チカ先輩が私を端に寄せてくれたおかげで、髪結ぶスペースができた。
手についていたゴムを取り、髪を持ち上げる。
「雪桜ちゃん髪綺麗だね」
そう言ってくれるチカ先輩に、少し嬉しい気持ちになる。
髪のこと、言われるの嬉しいな……。
笑ってお礼を言うと、横から手が伸びてきて私の髪を触ってきた。
「……っえ」
「俺今から髪結ぶの邪魔するから。気にしないでいいよ」
「いやいやいや……無理でしょ……」
気にしないとか無理ですけど。めっちゃ気になります。
髪をサラサラと触ったりツンツンしたりしてくる先輩が気になってしまって、中々結べない。
「ちょ……先輩……っ!」
しまいには、ほっぺを人差し指でツンツンしてくる。
なにするの……っ!!
さすがに恥ずかしくなって、チカ先輩の方を見ると。