チカ先輩のお気に入り。




目が合ったチカ先輩は私に向かってニコッと笑った。
すると、なぜか顔を私の身長に合わせて近づけてきて。
ち、近……っ!!


「ねえ、雪桜ちゃん」

「な、なんですか……っ」

「男ってね、首に弱いんだよ」

「は……?」


首に、弱い……?何言ってるの……?
さすがに言葉足らずだ。
全然わからない、と首を傾げてみる。


「うなじって、エロいよね」

「……っ!?」


チカ先輩の言葉に、一瞬にして全身の体温が上がる。
な、何言ってるの……っ!?
私は髪を持ち上げていた手を思わず離した。

分かりやすく動揺した私を見て色気を含んだ意地悪な笑顔で微笑んだチカ先輩。


「やっぱり雪桜ちゃんってからかいがいがあるよね」

「……っ、もう!」

「そんな照れないでよ。恋愛経験ないの丸出しだよ」

「……」


……はあ。もうやだムカつく。
ふん、と勢いよくそっぽ向く。



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