チカ先輩のお気に入り。
私はもう一度髪を結ぼうと髪ゴムを取ると、
「え〜今日は髪下ろしてようよ〜」
「ええ……でも邪魔だよ」
「お願い!!」
「だからどういう立場……」
伊緒くんも顔は整っているから。
普段からは想像できないきゅるんとした顔で手を合わせてくるので、うっと詰まってしまう。
「あ、ほら、先生来ちゃったよ」
「……」
「うわっ、無言怖いぞ三倉ちゃん」
なんか……伊緒くんもムカつくな。
はあ、とため息をついて前を向いた。
────────────────
────────
「私自販機行ってくる」
お昼休み、ご飯を食べ終わって二人にそう告げる。
「じゃあ私ミルクティー」
「茶」
茶……花菜ちゃん……。
まやちゃんと花菜ちゃんは私に買ってきてというように笑顔を向けてきて。
「はあ……お金返してね」
「当たり前よ」