チカ先輩のお気に入り。
「あ、俺知ってるよ。一年生の間で有名な子でしょ?確か、三好伊緒くんだったよね……!」
「あ、はい……そうっすけど」
夏目先輩にそう言われて、伊緒くんは戸惑いながらも答えている。
ていうか……伊緒くんって有名だったの?
「なんだよその目」
「いった……っ!」
えぇ……って顔で伊緒くんを見ると、それに気づいた伊緒くんが私の肩をバシッと叩いてくる。
なっ!!叩かなくてもいいじゃん……!!
そこまで痛くなかったけど、わざとらしく肩を摩る。
「へぇ。そうなんだ」
「雪桜ちゃんは三好くんと仲良かったんだね」
興味なさそうに返事をしたチカ先輩に続いて、夏目先輩は私たちにニコニコと話しかけてきて。
……なんか、チカ先輩様子変じゃない?
「仲良く話してるところごめんだけど。雪桜ちゃんのこと借りるね、三好くん」
「え……っ?ちょっ……!!」
そう言ったチカ先輩に腕を掴まれたかと思うと、グイッと引っ張られて。