チカ先輩のお気に入り。




伊緒くんと夏目先輩からどんどん遠ざかっていく。
ちょ、まだジュース買ってないのに!!

伊緒くんと夏目先輩は、二人して驚いた顔をしていて。
ちょ、どっちか助けてよおおお……!!


なんて思いながらチカ先輩に引っ張られるしかなかった。



────────────────



「もう……っ!なんなんですか……!」


結局連れてこられたのはいつもの空き教室。
教室に入るなり、私はチカ先輩にそう言った。


「雪桜ちゃんって、仲良い男の子いたんだね」

「な…っ、そりゃ、それぐらいは……っ」

「男に免疫なさすぎて、いないと思ってたよ」

「ぐ……っ」


これは……グサッと刺さる。
勝手にここに連れてきたくせに、刺々しいなこの人……!!


「しかも、触られるぐらいの仲だなんてね……」

「叩かれたんです」


触られるとかじゃないわ。自分が惨めになってくるからやめてください。



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