チカ先輩のお気に入り。
私が絶望している時、チカ先輩の声のトーンが急に低くなって。
さっきよりも強く振り払った。
私もその光景にビックリしてしまって。
呆然と立つ女の先輩を無視して、そのまま私の元までやってくるチカ先輩。
「雪桜ちゃん、何してたの?」
「え、っと……職員室に」
まるで、後ろにいる女の人達が見えていないかのように私と話すチカ先輩に動揺する。
「あ、あの、いいんですか……?」
「いいよ、俺あの子達知らないし」
知らないの?そんなことある?
なんて失礼なこと言うんだ、なんて思いながら先輩達に視線を向けると。
……っ。
ゾワっとした。あの視線。嫉妬から来る冷たい目に、嫌な想像をしてしまう。
私、100%あの人達によく思われていない。
「行こう、教室まで送ってあげる」
「で、でも……」
「……でも、なに?」
「……わかりました」