チカ先輩のお気に入り。
ほぼ強制だこんなの。
今、チカ先輩から離れるよりは一緒にいた方が安全だと判断した私は、チカ先輩の隣を歩き出した。
そのまま女の先輩達の前を通る。
「……」
女の先輩達は、一言も発さずに立っていて。
恐る恐るチラリと視線を向けてみると、冷たい瞳で悔しそうに私を睨んでいた。
思わず視線を逸らす。
チカ先輩は気にしていないように歩いていて。
……まじか、とも思った。
「……ふぅ」
女の先輩達から離れ、見えなくなったところで息を吐く。
視線だけで殺されるかと思った……。
「どうしたの雪桜ちゃん」
「……それ本気で言ってます?」
嘘でしょ……?もしかしてこの状況がわかってないの?
「女の先輩の目見ました?本当に怖かったんですよ」
「でも、何も言ってこなかったでしょ?」
「そうですけど……」
「俺がいれば何も言えないんだよ。だから俺と一緒にいてね」
「ええ……?」