チカ先輩のお気に入り。



そして冒頭に戻る。



う、わあ……なにこの人。

センターに分けられたサラサラの黒髪は、生きてるのかってぐらい綺麗になびいていて。
ぱっちり二重の切れ長の目に、まさかの泣きボクロ付き。
スっと通った鼻筋に高い鼻。
血色のいい唇に、真っ白な肌。毛穴なんてない。

彼の放つ色気は、私にはまだ早いかもしれない。

こんな綺麗な人見たことない、と思って息を呑んだ。

しばらく、ぼーっとしてハッとした。
ちょっとまてい三倉雪桜!!!
この人は!さっきあんな綺麗な女の人を泣かせた人だぞ!!何見惚れてんだ!!

そう思った私は、警戒して右足だけ下げた。


「わあ、わかりやすいね君」


そんな私の警戒に気づいたのか、妖しく笑った男の人。


「え、えっとー……、私用事あるので失礼します……!!」


こういう時は、関わらないのが一番!!
花壇に向かうために、男の人の横を通り過ぎようとしたけど。


「うわっ」


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