ロックオンされました。
「違ってたら悪いけど、もしかして奈美、妬いてるのか?」
悠人のニヤニヤ顔が余計に腹立たしくさせた。
「そんなことないわよ!!」
と言い放つ私の雰囲気は、そんなことありありに聞こえたかもしれない。
悠人は自分のラーメンの器の中にあるチャーシューを箸でつまむと、
「まあまあ落ち着けって。俺のチャーシューやるからさ」
私の塩ラーメンの中へと入れてきた。
その余裕ぶっこいた感じにイライラして、私はテーブルの脇にあったお店オリジナルの激辛唐辛子を手に取った。
「ありがとう! お礼に私はこれをプレゼントするわ!!」
彼の味噌ラーメンに思い切り振りかけてやった。
「なにすんだよ! 俺が辛いもの苦手だって知ってんだろ!? このイタズラはお仕置きレベルだぞ!」
悠人は、「ハンムラビ法典!」と叫びながら、私の塩ラーメンに仕返しの激辛唐辛子を振りかけてきた。