ロックオンされました。


「違ってたら悪いけど、もしかして奈美、妬いてるのか?」
 
 悠人のニヤニヤ顔が余計に腹立たしくさせた。

「そんなことないわよ!!」

 と言い放つ私の雰囲気は、そんなことありありに聞こえたかもしれない。

 悠人は自分のラーメンの器の中にあるチャーシューを箸でつまむと、

「まあまあ落ち着けって。俺のチャーシューやるからさ」

 私の塩ラーメンの中へと入れてきた。

 その余裕ぶっこいた感じにイライラして、私はテーブルの脇にあったお店オリジナルの激辛唐辛子を手に取った。

「ありがとう! お礼に私はこれをプレゼントするわ!!」

 彼の味噌ラーメンに思い切り振りかけてやった。
 
「なにすんだよ! 俺が辛いもの苦手だって知ってんだろ!? このイタズラはお仕置きレベルだぞ!」
 
 悠人は、「ハンムラビ法典!」と叫びながら、私の塩ラーメンに仕返しの激辛唐辛子を振りかけてきた。
< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop