偶然?必然?運命です!

キュンキュンと心臓が高鳴る。




ああ、もうダメだ。



私、この人のことが好きになってしまった!!



ん、と差し出された手を掴むと、引っ張り起こしてくれる。



立ち上がった瞬間、Tシャツがストンと下がってお尻が隠れた。



大きい。



私の手を握る手も、Tシャツも。



ドキドキドキドキッ。



さっきから心臓が忙しい。




「ありがとう……ございま……す」


「怪我はねぇよな?」


「はい、大丈夫です」



Gパンは食い千切られたけど、犬歯は皮膚までは届かなかったようで傷は一つもない。



不幸中の幸いだ。



「ほら」


「ありがとうございます」




オムツ二つも渡される。




「……アンタの、じゃないよな?」


「!?違います!!一歳の妹のです!!」



私のって!!



ついムキになって否定すると……



「ハハッ!!だよな」



男の人が笑う。


わっ、わっ!!


端正な顔立ちが笑うととても幼くクシャッとして……



























可愛いんですがーーっ!?



この人の私をどれだけメロメロにする気ですかーーっ!?



身悶えた。




「……大丈夫か?」




ああっ。


笑顔が消えて、ドン引き気に心配された。


まぁ、オムツを両手に持って身悶えてれば……ね。


己の怪しさに絶望しながら



「大丈夫です……」



そう答えた。
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