偶然?必然?運命です!

はぁ……。


家に入った途端、ドッと疲れが……。



「ただいま〜」


「おかえり〜」


「遅かったじゃねぇか」


「あーっ!!」



父に母、母に抱っこされた璃遠に出迎えられる。



遅かったじゃねぇか?


父の言葉にムカッとした私は持っていたオムツを二つとも父に向かって投げた。


全力で。


でも、ヒョイヒョイと簡単に受け止められる。


激しくムカつく。



「それにその服……」



母が気付く。


それに靴を脱ぎながら答えた。




「野犬に襲われた」


「えっ!?」


「ハ……?」


「あだっ!?」




三人が驚き目を見開く。


野犬に襲われるなんて、一生に一度あるかないかだよね。



「怪我は!?」


「っっ、大……丈夫。助けてくれた人が居て。でもGパンを食い千切られちゃったから、その人が自分の服を着せてくれたの」


「そう……。怪我がなく無事で良かった」



母が私の前までくると、ホッと笑顔を見せて頬を撫でてくれる。


Gパンは無事ではなかったけどね。


お気に入りだったのに……。



「あだっだっ」



璃遠が抱っこしてと手を伸ばしてくるけれど、全力疾走で汗をかきまくったからお風呂に入りたい。


また後でねと璃遠の頭を撫で、お風呂に向かおうとしたら



パシッ!!



うん?


父に手首を掴まれる。


とても真剣な表情で。


え?


何?


普段はおちゃらけた父だが、真面目な顔や怒ったときの顔は妙に迫力がある。


顔が濃くなる……というか。



「父?」


「それは……」


「うん?」


「それは本当に……」



溜めるね。


早くしてよ。



















「野犬……だったか?」


「え……?」



何、それ……


野犬だったかーー?
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