偶然?必然?運命です!

学年が同じなら行く場所は同じで……



「そういえば、何組なんだ?」


「私!?」


「他に誰が居るよ」


「ごもっともです」



何言ってんの、私……。



「岸井くんは!?」


「俺?」



神様!!


岸井くんと同じクラスにっっ。



「Fだけど」


「!!」



神様!!


これは運命ですね!?



「私もっ」


「マジか」



走りながらの会話はキツい。



でも幸せ。



なんならずっとこうして一緒に走っていたい。



苦しいけれどっ。



けれどそんな夢の時間は続くことはなく…… 



岸井くんに付いて行った先の廊下で行ったり来たりしている人が。


見たことあるその人は私達を見て



「つーきーしーろーーーっ!!」



ツカツカと鬼の形相で近付いてきた。



ヒィイイッ。



「せ……先生」



そう、F組の担任今田洋いまだひろし先生だ。



「おはようございます!!」


「おはようございます!!じゃねぇんだよ!!なぁーに転校初日に遅刻しとんじゃゴルァッ!!」


「お……お……ふぉっ、しゅみましぇん」



ムニュウウウッとほっぺを潰される。


こ……怖いんですけど!?



「どっかで事故にでもあったんじゃないかと心配したわっ」



心配してくれてました!!


怖いって言ってごめんなさい。



「すみません」


「まぁ、無事だったからいい。それで?お前達、知り合いか?」



お前達、とは私と岸井くん。


岸井くんはソロリソロリと後ろのドアから教室に入ろうとしていたところで



「バレてるからな」


「チッ」


「先生に向かって舌打ちするんじゃねぇよ。遅刻にすんぞ」


「すんません」


「まっ、いいわ。さぁ二人とも教室に入れ」


「はい」


「へーい」



岸井くんはそのまま後ろから。



私はクラスメイトに挨拶をするために先生に連れられて前のドアから教室に入った。



「静かにしろ~、転校初日に遅刻するっていう心臓に毛の生えた転校生が来たぞ」


「せ……先生」



大分、怒ってますね……。



てか、岸井くんが聞いてるのになんてことをっ。



心臓に毛は生えてません!!




……多分。

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