偶然?必然?運命です!
五時間目は二人ともなんとか寝ずにすんだ。
岸井くんが何かとノートを見ては笑うのと、距離が近くて勉強とは全く関係ないことを話したりしていたから。
六時間目は机を元に戻し(チッ)
授業を受ければ案の定二人とも寝て、先生に叱られた。
だってお腹がいっぱいで眠かったんですもの。
先生の声が子守唄だったんですもの。
そうして帰る時間になり……
「岸井くん、一緒」
に帰ろうって言おうとしたその時。
ドンッ!!
誰かにおもいっきり体当たりをされた。
「ふぉあっ!?」
これは予想外だったため、よろめいた。
「月城っ」
「危ないっ」
ガッ!!
誰かに支えられ、転ぶのだけは免れた。
のだけれど
う”……っ。
「ねぇ、希虎。今日は一緒に帰ろうよ」
納谷さんの声が聞こえてくる。
どうやら私に体当たりしてきたのは納谷さんで間違いない。
文句を言ってやりたい。
でも声を出せば吐いてしまいそうだった。
それ程までに、支えてくれる人からはとてもとても嫌な“匂い”がした。
誰?
というか、何?この匂い……。
口と鼻を押さえ上を向くと、男のコと目があった。
カッコいい部類に入るんだと思う。
一番は岸井くんだけれども。
イマドキの髪型に、イマドキのカラー。
少々着崩した制服。
「大丈夫?」
男のコはそう言ってきちんと私を立たせてくれた。
「ありがとう……ございます」
体臭などではない、もちろん服の生乾きとかの匂いでもない。
この人の内側から匂ってくるこの嫌な匂いは一体ーー?
そして、誰?