偶然?必然?運命です!
「中野……?」



全く予想外の質問だったのだろう、キョトンとする岸井くん。



……ハッ!?


しまった!!



好きな人に他の男の人のことを聞くってダメじゃ



「さっき助けられて気になったか?」



やっぱりーーっ!!


勘違いされましたーーっ!!



違う違う違う違うっ。



ブンブン首を横に振って否定する。



全力で否定する。



「ハハッ。首が取れるぞ」



笑われる。



違うってわかってくれたかな?



でもどう説明すればいいんだろう……。



“あの人って臭いよね”



いやいやダメだろう!!



いきなりクラスメイトをディスるって。



どんだけ嫌な女!?



ああーっ。



「中野ねぇ……。あんまり話したことはないが」


「ないが?」



お昼の話しを思い出す。



自分に関わると良くないことが起こる、そう言っていた岸井くん。



だから関わらないようにしていたのだろうか?



「そんな顔するんじゃねぇよ。俺があんまり中野と話したことがないのは」



少しだけ岸井くんが笑う。



そして



「アイツがいけ好かねぇからだ」



いけ好かない=嫌な感じ・虫が好かない・どうにも気に食わない。



「それっ!!それっ!!」



ピッタリきたぁ!!



あの匂いからはそんな感じがした。



そっか岸井くんも感じていたのか。



でへへ、気が合う。



「なんか…。とっても臭かった」



正直に言うと



「臭……」



岸井くん絶句、のち



「アハハハハハハッ!!」



爆笑された。



岸井くん、笑いの沸点が低くない?



いや、良いんだけどね。



笑顔が可愛いから!!
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